« September 2005 | Main | November 2005 »

2 posts from October 2005

October 19, 2005

Karma Police


 語るべきことは何もない夜にものを書く。今日、何本目になるのかわからない煙草
を吸いながら。

 時刻は深夜3時。目の前には烏龍茶のペットボトル、思いつきのワンシーンや台詞
が書かれた紙、それを留めるために使うクリップ、1カートン買うたびに増えていくライ
ター、邪魔なくらい長くなっている前髪、散乱したCD、読んだ本とまだ読んでいない
本。それから、静かな時間。
 
 ひとりでいるとなんでこんなに落ち着くんだろう。最近、こういうのってちょっとまずい
よなと思ったりもする。なぜなら、おそらく人はずっとひとりでは生きていけないので。
それでも、朝のドトールで、休憩時間の店内で、夜の街の雑踏で、耳元から音楽を流
して外界を遮断しているとき、「ああ、なんだか幸せだ」と感じる。
 それは言ってみればある種の隔離状態で、そのあいだ僕はずっと自分だけの世界
に浸っている。目の前の景色がやけに映画的に見えたりもする。停車駅にゆっくりと
滑り込むバスの動き。舗道をゆく足。演出されたみたいに視界を斜めに横切っていく
会社員。人、人、人。アイスコーヒーのグラスについた水滴。店内の光と影。なんとな
く顔に手を当てる。目の前の指が焦点を失って見える。ぼやけた手の輪郭の先に、
カウンターの中で少し疲れたように遠くを眺めている女の子。その横顔と周りの空間
のバランス。いい表情だなと思う。そして、雨。小雨が肌に触れるように落ちてくる。
灰色に曇った空。揺れる、いくつもの傘。ビニール傘があって、青い傘があって、黒い
傘がある。それぞれの傘の下では、僕の知らない数々の人生が歩んでいる。そうした
風景を眺めながら僕は、誰かの物語に耳を傾けてみたいと思う。

 あまりにもひとりの時間が心地良いせいか、このところ、根本的には人嫌いなのか
という疑問を自分に抱いてみたりもしたが、知らない人の人生を聞いてみたいと思う
ということは、やっぱり僕は基本的には人が好きなんだろう。ただ、それと同じくらい
ひとりでいるのが好きなだけであって。

 とりあえず、近いうちに髪を切ろうと思う。


| | Comments (6) | TrackBack (0)

October 05, 2005

これまた消えゆく書きっぱなしコメント


 ココ、放置ぎみですか? 「せっかく見にきたのに更新してねえし」って思われ
ないように適当に更新してみる。え~、なんの話がいいですか? とりあえず人
のネタを拝借しよう。どうやら、僕の友達の女の子は外人に求婚されているらし
い。「君と朝までクロッカスを眺めていたい」って言われたらしいです(ウソ)。この
台詞は僕の思いつき。二人して夜通しクロッカスを眺めてどうすんだって話だか
らね、これ。じっとしてるにも、ほどってものがある。眺めていたいなら止めないけ
どさ。おそらく二人の関係に芽は出ないと思うね。

 その外人の彼は僕も知っていて、その昔、飲食店でバイトしていた頃に一緒に
働いていた。もちろん求婚された女の子も。先日、彼女が久しぶりに外人の彼に
呼び出されて会ってみたところ、「アイラー・ビゥー」――実際、彼女からのメール
にはこの発音で書いてあった――攻撃を連呼されたもよう。翌日には「アイラー
・ビゥー言い過ぎました」って謝罪ぎみのメールが入ったとか。いや、アイラー・ビ
ゥー言い過ぎましたって。これ、個人的にはかなりおもしろいな。ハハッ、笑える。
ちょっと腹痛い。ハハッ、死ね(えっ?)。

 しっかし、外人は直球だなあ。そこに迷いはないのかい? 感心するね、ある意
味。彼は日本語がやたら巧い。ちなみにイスラム教だかどっかの宗教で、婚前交
渉は認められていないらしかった。一緒に働いていた頃、確か彼は24とかそのくら
いだった。試しに彼に、「その決まり、マジで守ってるの?」と質問すると、「守って
いない人の方が多いけど、ボクは守ってます」という感じの返事がかえってきた。
あれから3~4年くらい。彼がまだその教えを守っているのか僕は知らない。
 彼女からのメールは「かなり面白いけど、どうします?」という言葉で締めくくられ
ていた。いや、どうしますと聞かれましても。おもしろいから引っ張ってほしい気もし
たが、おそらく彼は本気なので早めに殺してあげた方が良いと思われた。なので、
「受け止める気がないなら、適度に交わす方向で」という返事を送る。受け止める
気があったら、それはそれでサプライズ。無抵抗主義。ガンジー的なもの。

 あの彼が求婚とはね。これまた時は流れるって感じだね。結婚するってことは、
独身ではなくなるってことだからな。幸せだったりするのかもしれないけど、素敵な
ひとり時間は確実に減っていくんだろうし。何かを得れば、何かを失うわけだ。世の
中そういうふうにできている。なので、何かを得たいと思ったときには、そのぶんの
代償を考えなければならない。それでも、その何かを得たいのであれば、たぶんそ
の判断は正解なのだと思われる。うん、きっとね。

 前回、このブログで「プロントの女の子がじゃっかん気になります」的なオチをつけ
たばっかりに、周りの人々に適度にツッコミを入れられている始末。え~、みなさん、
放っておいてください。僕の密かな楽しみを奪わない方向で。なんていうか、彼女は
佇まいがいいね。肩から指先にかけてのラインが素敵だ。彼女はいつも少し難しい
顔をして働いている。思い出せないけど大事な何かを落としてしまったような、そん
な顔をして。ときどき、さらりとした穏やかな微笑みを見せる。僕は本を読んだり、音
楽を聴いたり、ものを書いたりしながら、ふと、そうした彼女を眺めるわけだ。じゃっ
かん文学の匂いがしてきたね。ちょっと誇張したけど。まさにナイスな休憩。

 え~と、肌寒くなってきましたね。
 みなさん、はかなく過ぎ去る秋をお楽しみください(今回は普通に終わる)。


| | Comments (0) | TrackBack (0)

« September 2005 | Main | November 2005 »