« そこにある景色 | Main | ずっとそれを見て育った »

January 15, 2007

イガラシ式現代病

 

 スモーカーが迫害される昨今、煙草を片手に更新してみる。なぜだかはわからないけど、僕が親しくしている人はスモーカーが断然多い。先日このブログにときどき登場しているイガラシさんの家に行ってみたところ、“煙草をやめられる本”などというものが置いてあり、イガラシさんは煙草を吸う僕に向かって「煙草を吸うヤツなんて死んでしまえ! 低脳だね! バカだね!」と言いながら、当然のように自分も煙草を吹かしていた。おそらく、僕の前にいたイガラシ(敬称略)は無駄な読書をしていたのだと思われた。お気の毒。

 そんなイガラシさんは相変わらず彼そのものであり、久々に会ったのにもかかわらず「女の子紹介してよ!」とか声高に言われる。「いやいや、俺もソロなんですけど」と返答してみたが、「そんなの関係ないよ! 周りの女の子紹介してくれればいいじゃん!」とか東京的な語尾で身を乗り出してくる。ついでに「duzzくんにはあげないけど、俺ひとりでサーモン丼を食べる」などと宣言し、ひとりで手製のサーモン丼を食べはじめる始末。サーモンの上にたっぷりタマネギを乗せて。僕はいまでもあのタマネギの匂いを思い出せる。

 イガラシさんは分析が大好きな男である。かつてはイガラシ式恋愛ロジックという名で僕を恐れさせた長広舌を得意としている。常に序章から入るのが彼のスタイル。最近はこれといった恋愛もないらしく、ついに分析するものがなくなったのか、イガラシさんは僕についての分析をはじめた。サーモン丼を食べながら。

「duzzくんはあれだよね、こう、どっか心を閉ざしてるよね。普通に人と親しくなるのはうまかったりするけどさ、なんていうか現代病? そういうのってどうかと思うよ~。女の子とかもさ、そういうduzzくんの態度は困ると思うんだよね~、うん。なんていうか‥‥現代病?」
「現代病、お気に入りのフレーズっすか?」
「そうやってまた話をそらす」
「そもそもイガラシさん、俺と周りの女の子の関係知らないじゃないですか。いまは別の部署にいるし」
「その周りの子を紹介して。タマネギ臭くない?」
「じゃっかん」
「じゃっかん‥‥かっこいい~」
「えっ、バカにしてます?」
「サーモン安かったんだよね」
「いや、確かにその傾向はありますけどね。でも開いている人には開いてると思うんですが」
「だから~、現代病?」

 そのようにして、僕は現代病にされた。この会話の骨子は主にイガラシさんが「現代病」というフレーズを連呼したかったのだと思われ、僕はその叩き台にされたようだった。イガラシさんの話は当然まだ終わらない。

「だいたいさ~、職場に女の子たくさんいるんでしょ? 何もないほうがおかしいって。普通さ~、気になる子とかできるでしょ?」
「普通にかわいい子はいると思いますけどね」
「でしょ?」
「いい子も多いですけど。でも、だからといって。年齢も離れてますし」
「関係ないよ!(イガラシさん40歳)」
「同じ職場ってのも微妙じゃないですか?」
「関係ないよ!(イガラシさんほぼ無職)」
「紹介した場合、イガラシさん受け入れられるかなあ‥‥」
「関係ないよ! そこは俺がなんとかするよ!(イガラシさん前向き)」

 う~む、この人に女の子を紹介していいものなのか。個人的な評価では、非常に癖があり、厄介ではあるけれど独創的な魅力を兼ね備えている人物だと思う。つい最近では、イガラシさんは僕に対してひどく腹を立て、電話で呼び出されたうえタイマンでの話し合いが行われ、僕も久々にじゃっかん熱くなったが、最終的には双方に誤解があったということで和解を迎えた。ちなみに言っておくと、人と向き合って口論なんぞをするのはやたら久しぶりだった。最高に面倒くさがりである僕が、そういうことがあっても付き合いをつづけているということは、やはりイガラシさんにはなんらかの魅力があるのだろうと。

 僕はいまだかつて、女の子を紹介されたことも紹介したこともない。その記念すべき第一号になる人がイガラシさんでいいのか? 最近、僕の職場は以前に比べてずいぶんと親しさが増し、我々オッサンチームの間では彼女たちを評して、「いや、マジでいい子たちだよね。いい意味ですげえマトモ」などという会話が飛び交っている。職場で恋愛ネタになったときなど、あまりにも僕とかけ離れた恋愛観――かなりの確率で嘘偽りなく――を聞かされるので、「もうほんとに幸せになって」と心から発言したところ、「お父さんみたい」などと言われるduzz33歳。杉並産。そんなわけでいまや兄的な立場をすっ飛ばして父親的な立場にまで登りつめた僕が、愛着が沸きはじめた彼女たちにイガラシさんを紹介していいものなのか?

 ‥‥却下します。ごめんね、イガラシさん。

 

|

« そこにある景色 | Main | ずっとそれを見て育った »

Comments

イガラシさん、相変わらずみたいですね。
かなりの珍味ですからね。紹介するにはかなりハイリスク!

オレは彼に直接会うより、こんな風に客観的に聞く方が、
なんか気軽です。彼に言わせればオレも現代病ですかね。

イガラシさん、ほんと幸せになってほしい(無責任・笑)

Posted by: kameda | January 16, 2007 01:54 AM

変わらないっすねえ。
貧困しているのに、職に就かないあたりが
イガラシさんこそ現代病くさいですが・笑

器のデカイ女の子でないと紹介できないかと。
いや、ご存知のとおりおもしろいんですけどね。
クセがありすぎるという。

相当な大人なので、自分で幸せをみつけてもらいましょう・笑

Posted by: duzz | January 16, 2007 11:00 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference イガラシ式現代病:

« そこにある景色 | Main | ずっとそれを見て育った »