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May 22, 2019

おそらく、何者にもなれない君へ

 

 読んでいた『インド夜想曲』のページを閉じたところで、おそらくかなりの確率で自分は何者にもなれないだろうなと思った。そう認めるところからはじめるべきなんだろう。かつて、わたしは脚本家を目指していた。もう、かつてと言ってしまっていいと思う。いま、自分のなかに脚本を書きたいという気持ちが驚くほどにない。そういうことだ。それは風化された希望であり、かつての夢なのだ。

 ただ、まとまった文章は書きたいなという気持ちはずっと持ち続けていて、それでも日々の仕事と生活に追われ、しだいに書く時間を失っていった。ここでコイツに容赦のない指摘なんかをひとつ。これはただの言い訳である。どれだけ忙しかろうと書く時間は作れたはずだ。不倫や浮気を愛好している方々が、「忙しくて連絡できなかった」と言っているのと変わらない。本気で取り組む気があれば絶対にわずかでも時間は作れる。浮気をしている時点で時間が相当にあり余ってるし。ずっと以前から思っていたが、不倫をする人はまちがいなく暇人だ。わたしの墓標にはそう刻んでほしい(墓地で嫌われそう)。

 かの澤穂希は――彼女はかのと言っていいほど偉大な人物だと思う――「人は楽な方楽な方へ逃げようとする」とどこかでコメントしていた。そのとおりだ。このブログを更新しなくなってから4~5年は脚本を書き続けていた。それ以降はブラー的に表現するなら、『The Great Escape』くらいまったくものを書いていなかった気がする。以前と変わらず、ときどきコピーライターの仕事をするくらい。楽な方へ逃げなかったかの澤穂希はサッカー女子W杯で優勝し、女子最優秀選手の称号であるバロンドールも受賞した。素晴らしい。彼女に惜しみのない拍手を。ちなみに現在のなでしこジャパンでは、個人的には以前から長谷川唯に期待している。攻撃的センスがあり、運動量があってよく走る。オシムに好まれそうな選手。最近プロ契約したらしい。あんなに活躍していたのに、まだプロ契約していなかったとは。女子サッカーを取り巻く環境はまだまだ厳しいらしい。

 話が逸れた。わたしはなでしこジャパンを応援しすぎな傾向にある。まあいいや。そんなわけで澤穂希にも長谷川唯にもなれなかったわたしは――プロ化という意味で――こうして10年振りにブログを再開しているというわけだ。そもそもブログの更新をやめたのも、ここに書いていると“ものを書いた感”が芽生えてしまい、脚本を書かなくなってしまうからだった気がする。脚本を書かなくなったいま、長らく放置されていたここを手入れして更新する正当な理由ができた。運動しなくなると筋力が落ちるの同じで、書かなくなると文章力が著しく低下する。イメージが沸かなくなる。スケッチでさえ書けなくなる。ものを書くことはそれなりにテクニカルな作業だ。ときどき更新することで、以前と同じ程度の技術と書き癖をまた取り戻せればと思っていたりする。

 前回、長い空白を経てブログを更新してみて、なんというか、文章を書くということは心地いいものだなとあらためて思った。だから、またここから書きはじめよう。たとえプロになれなくても書き続けることはできるわけだ。そうすることで、また何か新しい夢のようなものが芽生えるのかもしれない。一人称が「僕」から「わたし」になる年齢になっても、夢を見ることが許されないわけじゃない。

そんなわけで、今日からブログタイトルをじゃっかん変更しました。

 

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