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July 2019の1件の記事

July 02, 2019

読書と音楽とカフェの窓際と

 

さて。 
BGMはザ・ナショナルの『I AM EASY TO FIND』。

 「あれから何日経った?」というのはカリオストロの城におけるルパンの台詞だけど、わたしの場合は「あれから何年経った?」になる。ブログを再開するまでの期間。10年。10年といえば一時代だ。いろいろなことが変わる。 

 この10年、わたしにも当然のように変化があった。まずは煙草をやめたこと。かつては 煙草とアイスコーヒーをトレードマークにしていたが、いまではまったく吸わない。ある日、デニム的なものを履こうと思ったときに足がつり、運動不足にもほどがあると腹立たしくなったわたしはランニングをはじめ、そのうちすっかりランにはまってしまい、ランシューとかランウェアとかを買い漁り、煙草をやめたらもっと走れるのではないかと思って禁煙をしてみたら自分でも驚くほどに煙草を吸いたいという衝動もなく非喫煙者という肩書きを手に入れ、もう5年くらい吸っていないし吸いたいとも思わず、村上氏の『走ることについて語るときに僕の語ること』を勝手な共感を持って読めるようになったし、たとえば仕事あがりの夜の21時、ライドの『Nowhere』聴きながら街を走っていると、どこまでだって駆けていけるような充実した気持ちになったりする。 

 そう、そんなわけでランニングをするようになったのも変化のひとつ。あとは転職。職場が変わり、周りの顔ぶれも変わった。正直なところ、いまの職場は――というか部署が――あまりおもしろくないので、職場について語るべきことは何もない。死ね(え?) 

 あとは前回書いたように脚本を書かなくなったこと。何者にもなれない自分を認めたとき、世の中に本と音楽があってよかったと心から思った。現在、わたしの部屋には86冊の積読本が控えており――さっき数えた――最近はひとりで過ごす休日は夜まで本しか読まないという読書教育的制度が導入された。なぜならテレビや映画を見てしまうと、積読本がぜんぜん減らないので。そんな読書ファースト。一発屋都知事(言い過ぎ)。とくに意識してなかったけど、いつからか本を平行して読み進めるというスタイルを打ち出すようになった。現在同時に読んでいる本はこんなの。 

『グローリアーナ』 マイケル・ムアコック 
『郊外へ』 堀江 敏幸 
『贖罪』 イアン・マーキュアン 
『双眼鏡からの眺め』 イ―ディス・パールマン 
『火星ダーク・バラード』 上田早夕里 
『ブライト・ライツ、ビッグ・シティ』 ジェイ・マナキニー

 以前まではほとんど海外文学に傾倒していたが、数年前からSFをかなり読むようになった。86冊の積読本の半分くらいはSFかもしれない。平行して読みながら、いちばん先が気になるものを仕事の出勤日などにも持ち歩くというパターンが確立された。こうすると通勤時の電車や仕事の休憩時間にハズレの本を読んで退屈することがない。

 そして、音楽。人生に音楽があってよかった。本当に音楽には救われているなあと。窓から外が見えるカフェなんかで、音楽を聴きながら本を読んでいるとファ~っとした気持ちになる。このファ~体験はわかる人にはわかるはず。幸福感というか。アルファ派が発生するというか。おそらく。きっと。たぶん。

 rockinon.comに出ていた記事によると、人は30歳半ばから新しい音楽を探さなくなるらしい。わたしもおそらく同じくらいタイミングくらいで新しい音楽を積極的に探さなくなっていた。いままで出会ってきた音楽で充分足りていたような気がしていたから。そんな音楽的隠居。でも、なんとなくそれではいけないと思い立ち、数年前から音楽配信サービスを利用しつつ、音楽的穴倉から外の世界に出て最近の音楽も聴くようになった。結論から言うと、もっと早く聴いておけばよかった。いい音楽がたくさんあるではないか。ここ数年のお気に入りのアルバムはこんなの。

サッカー・マミー 『Clean』 
 来日してたのでついでに渋谷に観にいった。
ハインズ 『I don’t run』 
 ものすごく楽しそうに音楽やってるところが好印象。
ヴァンパイア・ウイークエンド『Modern Vampires of the City』 
 素晴らしい。個性を主張し過ぎなくなって洗練された。
ザ・ナショナル『Sleep Well Beast』
 もはや歴史的名盤。恐るべし。

  ヴァンパイア・ウイークエンドとザ・ナショナルはさらに新譜をリリース。これもとてもいい出来。今回のアルバムは、両バンドともアルバムとしてのトーンの統一感がすごい。そういうトレンドなのだろうか。なんにせよ、よい音楽でこちらの日々を彩ってくれるアーティストの方々に感謝を。

 読書は死ぬまでする気がするけど、人は何歳まで日常的に音楽を聴くのだろう? できることなら、ずっと音楽を聴いている人でありたい。いつまでも、カフェの窓際で。陽射しとアルファ派に包まれながら。

 

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